いま、助かるから

生きててね。

SOS008[生類]

 

「良い子」と呼ばれるわんちゃんねこちゃんは、人間の性感帯を擽るのが非常に上手い。

 

彼らを包んでるつもりになってる人間は、いつだって誰よりも彼らに包まれている。

余りに汚れた私は本当の意味で彼らの仲間になる事は出来ないけど、彼らを模倣して都合の良い馬鹿のフリで馬鹿な人間を包む側になりたい。好きな人間も、嫌いな人間も。

 

元から無能だった私はそんな願望を幼少期から抱いており、弱者である事を謙虚に自覚した人間として、愛玩動物特有の屈託のなさを振り翳す事が許されるポジションを薄汚く求め続けた。長きに渡る駆け引きによって、そのポジションは恐らく本物になった。本来山のようなプライドには必死でフタをしていた。得られた他者からの可愛がりによって承認欲求を満たす事で、どうにかそれが溢れ出すことを防いでいた。

 

しかし、その試みがいかに無謀であるかは20年も経たずして思い知らされる事になった。

結果、一昨年の冬辺りから私は抑えてきたプライドに呑まれ、たまに穢れから成る毒牙を剥いて飼い主ポジを軽率に名乗り出る輩を半殺しにしたくなる衝動とそれに対する自己嫌悪に度々駆られるようになってしまったのである(この件は、[寄せ書き]の記事で書いたキャラ嫌悪と丁度リンクしているように思う)。それによって、しばらくはコミュニティに参加する事はおろか、自分の好きな事にも手を付けられずただ寝込むだけの日々を産出してしまった程である。

 

暫く人に会わずして休養に休養を重ね、最近はこのように長文を書き散らせるようになるまでに回復した。それに伴い再び馬鹿のフリをする余裕すら生じてきたが、軽率にそれを再開するのは非常に危険だと感じる。

同時に、素でそういうポジションに立って(或いは勝手に立たされて)、何も文句を言えない状況で生を継続するお犬様お猫様はちょっと凄すぎると思う。

ご本人(わん・にゃん)達がどういう感覚なのか分からないけど、そんなん人間がやったら寿命20年程度で十分な筈だわ…

 

て事で、人間である限り弱者として最期に笑うには嫌でも汚れた愛らしさ人間臭さ両方バランス良く大事にしていかないと望んだ「死」は迎えられないと改めて認識する今日この頃でした。

 

表面上はバカみたいに可愛くて凶暴で一途な地獄の番犬ちゃんとして認められるように、今後60年は続くかもしれない人生頑張りたいと思います。きゅーん🌱